従来の営業手法の限界と新たなニーズの台頭

株式会社マネーテーラーは、ファイナンシャルプランナー（FP）によるオーダーメイドのマネープラン提供を主軸としています。個人や法人の顧客に対し、ライフプランニング、資産運用、保険、税務対策など幅広いコンサルティングを行い、最適な金融商品を提案することで、顧客の資産形成やリスク管理を支援してきました。しかし、従来の「紹介依頼型営業」や飛び込み営業といった手法は、現代の顧客ニーズや市場環境の変化により、その効果が減少していました。特に、顧客に対して「紹介を依頼する」という行為自体が心理的負担を与えかねないことから、これまでの営業アプローチの見直しが求められていました。また、デジタル化の進展により、顧客はオンライン上で金融情報を収集し、自己判断で商品選択を行う傾向が強まっています。このような状況の中で、マネーテーラーは「顧客に価値を提供しながら、よりスムーズに新規顧客を獲得できる仕組み」を確立する必要がありました。

デジタルツール「milize Pro」の導入と新しい営業戦略の構築

これらの課題に対応するため、マネーテーラーは以下の施策を実施しました。

1. 1. デジタルツール「milize Pro」の導入

   ライフプランシミュレーションツールである「milize Pro」を採用し、顧客への提案力を強化しました。これにより、顧客のライフプランや将来の資産推移をビジュアル化し、納得感のある提案が可能になりました。また、これまで口頭説明だけでは伝えきれなかった内容を、データやシミュレーションを活用して示すことができるようになり、顧客の理解度が向上。結果として、提案に対する信頼度が増し、契約成立までのプロセスが円滑になりました。

2. 2. 多様なチャネルを活用した集客モデルの構築

   従来の紹介営業に頼るのではなく、セミナー開催企業や代理店、クレジットカード会社、ハウスメーカーなど、多岐にわたる提携先との連携を強化し、新たな集客経路を確保しました。特に、セミナー関連企業 と提携し、その顧客に対してファイナンシャルプランニングサービスを提供する「共同募集スタイル」の導入は、大きな成果をもたらしました。
   さらに、資料請求やセミナー参加者へのフォローを徹底し、潜在顧客との継続的な接点を持つことで、成約率を高める仕組みを確立しました。

3. 3. 組織的なマーケット創出と営業プロセスの標準化

   営業プロセスを標準化し、属人的な営業手法からの脱却を図りました。具体的には、以下のような仕組みを構築しました。

   • 実績管理：成約率・成約上の認識を可視化し、営業活動のKPIを明確に設定。
   • 品質管理：契約後の継続率や報告体制を整備し、顧客満足度の向上を図る。
   • 進捗管理：面談数や商品別の成約分析を行い、営業のPDCAサイクルを確立。
   • 育体系の整備：セールスプロセスやFP知識の標準化を進め、新人研修やスキルアップのためのトレーニングを強化。

これにより、個人プレーに依存する営業スタイルから脱却し、組織としての強みを活かした営業活動が可能になりました。

営業効率と成約率の向上

これらの施策により、以下の成果が得られました。

1. 1. 成約率の向上

   「milize Pro」を活用した面談では、商品成約が格段に上がり、成約単価も上昇しました。

2. 2. 顧客満足度の向上

   ビジュアルでの共有により、顧客の目標や計画が明確化され、コンサルティングの満足度が向上しました。

3. 3. 新規顧客の増加

   他社からの顧客流入や保険契約の増加が見られました。
   特に、既存顧客からの新規契約率が向上し、契約後の継続率も安定。組織全体の営業成果が大幅に向上しました。