AIを活用したニュース記事ラベリングにより、分析作業を約1万時間削減

2022.11.16

01 課題

銀行の市場運用業務では、投資の意思決定で膨大な情報の収集・分析を行っている。中でも、大量のビジネス関連情報の中から、投資判断に影響する重要なネガティブニュースの抽出や分析については収集から吟味・査定までの業務に大きな業務負荷が発生していた。

02 解決策

多様な情報ソースから日々配信されるビジネス関連情報がスクリーニングされ、そのうち、金融専門用語や特有な文脈を有するものに対して、機械学習モデルが、自動で特定の企業や組織等の「投資・経済活動」に関連する記事、「アンチ・マネーロンダリング、経済制裁」に関連する記事等のネガティブニュースとしてラベリング・抽出・優先順位付けを行う。結果は、開発した専用のWEB管理画面上で確認することが可能。

03 成果

予測精度は再現率(*1)97.1%・適合率(*2)84.7%を達成。AML・経済制裁に関する記事を中心に、ビジネス活動に影響を与える重要なネガティブニュースに関しては抽出漏れがないように特に配慮されている。本システム開発により、投資意思決定に関わる情報掌握・分析作業の作業が効率化され、所用時間約1万1000時間の削減効果を見込む。

*1 再現率:
実際に正であるもののうち,正であると予測されたものの割合。「AML・経済制裁」「投資・経済活動」に関する記事のうち、ただしく「AML・経済制裁」「投資・経済活動」と予測できた割合。
*2 適合率:
正と予測したデータのうち,実際に正であるものの割合。「AML・経済制裁」「投資・経済活動」と予測した中で正しかった割合。

総括
市場部門では、投資の意思決定をするための情報収集・ニュース分析・査定に膨大な時間を費やしていたが、AIを活用したシステム開発により、対象のニュースが自動でラベリング・抽出・優先順位づけされ、約1万時間の業務削減効果が見込まれる。

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