2025.7.31
Fintech ファイナンシャルプランニング
CASE
06

「最短2分」で資産形成ニーズを可視化するアプリ『ゴールベースシミュレーション※』を導入し、若年層との新たな接点を創出

山陰合同銀行

この事例の要約

01
課題

若年層の資産形成ニーズに応えたいが、対面では接点が持ちにくく、非対面での新たなアプローチが必要だった。

02
解決策

「ゴールベースシミュレーション」をバンキングアプリに導入し、将来設計を手軽に可視化できる体験を提供。

03
効果

若年層との接点が増え、顧客ニーズに基づく提案が可能に。非対面チャネルでの新たな営業機会も創出された。


01
課題

若年層との新たな接点創出と資産形成ニーズへの対応

新NISAの開始などに伴い、若年層の資産形成に対する関心が高まっている一方で、いきなり金融商品を選ぶことにハードルもあり、銀行に対して「興味はあるが、何から始めればよいかわからない」といった声も少なくありません。山陰合同銀行では、少子高齢化や非対面チャネル拡充による店舗への来店客数の減少が進む中で、将来の顧客基盤となる若年層にフォーカスしたデジタル起点のアプローチが急務であり、誰でも気軽に将来設計ができる体験を通じて、顧客との“新しい接点”をいかに作るかが課題となっていました。

主な課題:

  • 若年層における資産形成ニーズの顕在化と金融リテラシーのギャップ
  • 来店や対面営業に頼らない、新しい非対面チャネルの必要性
  • 投資初心者にも分かりやすく、利用ハードルの低いサービスの不足

02
解決策

「最短2分」で将来設計を可視化するシミュレーションアプリの導入

山陰合同銀行が導入した「ゴールベースシミュレーション」は、MILIZEが開発した年齢や年収、生活設計をもとに、目標ごとの必要資金や運用方針を簡単に可視化できるサービスです。同行が提供するバンキングアプリ「ごうぎんアプリ」上で利用できる本アプリは、資産形成に対する心理的ハードルを下げ、将来を主体的に考えるきっかけを提供します。特に、ゴールからバックキャストした資産形成を自然に後押しする設計と、最短2分で完了する手軽さが高く評価されています。

主な取り組み:

  1. 1.  非対面チャネル強化:バンキングアプリ上での新たな顧客接点の創出
  2. 2.  きっかけの提供:ゴール起点の将来設計により、資産形成を自然に後押し
  3. 3.  簡便性の追求:「最短2分」で将来設計が可能なシンプル設計

03
効果

利用者数は順調に増加。利用データから顧客プロファイルを精緻化することで、その後のアプローチが充実

ゴールベースシミュレーション導入後、これまで接点が少なく年齢や性別などの限定的なプロファイルしか持たなかった若年層との接点が増加したことに加え、顧客のニーズ(ゴール)を踏まえてプロファイルを精緻化することで、よりそれぞれの顧客に即したアプローチ施策を展開できるようになりました。

  1. 1.  利用者数:公開から9ヶ月で初年度目標の76%を達成
  2. 2.  顧客プロファイル:限定的だった若年層の顧客プロファイル精緻化(どんな将来設計を持っているのか)
  3. 3.  アプローチ充実:顧客プロファイルに基づくアプローチのバリエーション増加、タイミング最適化

顧客自身が「何のためにいくら必要か」をわかりやすく可視化することは、資産形成へのモチベーション向上にも寄与しています。
また、従来の対面チャネルではアプローチが難しかった若年層からのアクション喚起にもつながり、今後の資産運用提案への布石となる有望なチャネルとして期待されています。

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担当者の声

金融だけでなく使っていただける、地域に欠かせないアプリに

株式会社山陰合同銀行 DX推進本部 野坂 士朗 氏 :

ゴールベースシミュレーションは、当行が中期経営計画(2024-2026年度)で掲げる「ごうぎんアプリの”地域版スーパーアプリ”化」を目指す中での取り組みの一つです。スーパーアプリの狙いはいくつかありますが、顧客との接点強化も重要な要素として位置付けております。その中で「ゴールベースシミュレーション」にはこれまであまり銀行が接点を持てなかった若年層との新しいコミュニケーションのきっかけになることを特に期待しています。リリース後は『最短2分で将来が見える』というわかりやすさが、「金融」や「資産形成」といった言葉に取っ付きにくい印象を持っている若年層にも受け入れられているようで順調に利用者が増加し、狙い通り新しい接点として機能し始めています。今後もごうぎんアプリを起点とした金融に限らない多方面的な機能強化をしていきたいと考えています。

まとめ

ゴールベースシミュレーションで広がる、資産形成の入口としての可能性

山陰合同銀行は、ゴールベースシミュレーションの導入を通じて、若年層の資産形成をサポートする新たな非対面チャネルを確立しました。「最短2分」の簡便な操作で、将来への準備を具体的にイメージできるこのアプリは、資産形成について考え始める第一歩として非常に有効です。今後は、対面・非対面のチャネルを問わず、関連する金融サービスとの連携やキャンペーン展開を通じて、さらに広い顧客層への浸透と、地域に根ざした資産形成支援の強化が期待されます。

※山陰合同銀行では「ゴールシミュレーション」として提供。

山陰合同銀行

山陰合同銀行は、1878年創業、1941年に設立された、山陰だけでなく山陽、関西、東京に営業拠点を構える広域地方銀行です。個人・法人向けの総合金融サービスに加え、地域社会の持続的な発展に向けた取組みにも力を入れています。近年では、デジタル技術の導入やパートナー企業との連携を通じて、非対面チャネルの強化や若年層との新たな接点創出に取り組むなど、地域金融の在り方を革新し続けています。


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